世界保健機関のWHOは、新型のコロナウイルスが引き起こす病状について、「COVID-19」と名付けたことを発表しました。
新型コロナウイルスのウイルスの病状「COVID-19」と命名
感染の拡大が深刻である中国の武漢にちなむ呼び方を避けて、中国への配慮をしたとされています。
2月11日に、WHOのテドロス事務局長が、スイスのジュネーブで記者会見を開きました。
そこで、「COVID-19」と名付けたと発表しました。
テドロス事務局長は、地名や動物と関係ない名称にする必要があった、これ以外の呼ばれ方によって、負のらく印が押されることを防ぐことは重要だと説明しました。
2月11日から、新型コロナウイルスの治療法、ワクチンの開発などを協議する、専門家の会合が、ジュネーブで始まりました。
世界各地の研究者や、中国で治療に関わる医療関係者など約400人が、電話やインターネットを通じた参加も含め、2日間意見を交わすそうです。
有効な治療法の確立や、ワクチン開発に向けた計画を作成するそうです。
コロナウイルスとは？
ヒトに感染するコロナウイルスは2種類あります。
・ヒトに蔓延している風邪のウイルス4種類（Human Coronavirus:HcoV)
HCoN-299E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1があります。
風邪の10％～15％（流行期35％）は、これらの4種のコロナウイルスを原因とします。冬に流行のピークがあり、ほとんどの子供が、6歳までに感染を経験します。多くの感染者は、軽症であるが、高熱を引き起こすこともあります。
・動物から感染する重症肺炎ウイルス2種類
SARS-CoV、MERS-CoVがあります。
SARS（サーズ）とは？
SARS(サーズ）とは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス（SARS-CoV）のことです。
2002年に中国の広東省で発生しました。
2002年の11月～2003年7月の間で、30を超える国や地域に拡大しました。
2003年12月時点の、WHOの報告によると、疑いを含めるとSARS患者は8069人、うち775人が重症の肺炎で死亡しました。（致死率9.6％）
SARSの感染源は、当初はハクビシンが疑われていましたが、今ではキクガシラコウモリ（中国南部に生息）が、自然宿主であると考えられています。
中国の広東省の地元市場では、野性動物を食べ物として売っていたそうです。
雲南省での調査で、SARS-CoVとよく似たウイルスが、今でもキクガラシコウモリに感染していることが確認されています。
出典：キクガラシコウモリ-Wikipedia
ヒトからヒトへ、咳や飛沫を介して伝染し、感染者の中には、十数人に感染を広げる「スーパースプレッダー」が見られました。
死亡した人の多くは、高齢者、心臓病、糖尿病等の基礎疾患をもっていました。
子供には、ほとんど感染しませんでした。
・主な症状 高熱、肺炎、下痢
・感染経路 咳、飛沫、接触、便
・潜伏期間 2～10日
SARS(サーズ）の治療法
SARS（サーズ）は、ウイルス性疾患であるため、抗生物質が無効です。
治療法は確立されておらず、対症療法が行われますす。
SARS（サーズ）の予防法
・手洗い、うがい
・接触感染を媒介しうる物の表面消毒
・サージカルマスクの着用
・体液の接触を避ける
・感染者の私物を熱した石鹸水で洗浄
SARS(サーズ）の封じ込め
SARSは、感染者数は、2003年5月頃にピークをむかえました。
世界保健機構は、2003年7月5日に、SARS封じ込め成功を発表しました。
まとめ
新型コロナウイルスについては、まだ分からないことが沢山あります。
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